こんにちは。群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」です。
インビザライン矯正は、透明で目立ちにくいマウスピースを装着して歯列を整える治療方法です。矯正装置を自由に着脱ができる手軽さから、多くの方に選ばれています。
しかし、重度の出っ歯や受け口、ガタガタに乱れた歯列などには対応できないこともあります。また、重度の虫歯や歯周病により口腔内の状態が良好でない場合には、矯正開始前に虫歯や歯周病を治療する必要があるでしょう。
今回は、インビザラインで治療できない症例や、インビザラインに代わる治療法について詳しく解説します。
インビザラインとは、マウスピース型の矯正装置です。取り外し可能な透明のマウスピースを装着して、少しずつ歯を移動させます。
マウスピースは1〜2週間ごとに新しいものへ交換し、全体矯正の場合は2年~2年半ほどかけてゆっくりと歯を動かしていきます。矯正期間が終了したあとは、歯列が後戻りしないようにリテーナーと呼ばれる保定装置を1~2年程度装着する必要があります。
歯に直接矯正装置を取り付けるワイヤー矯正と比べて、痛みが少ないのも特徴のひとつです。食事や歯磨きの際には取り外せるため、清潔を保ちやすいというメリットもあります。
しかし、インビザラインは大きく歯を動かす必要がある症例には対応できないこともあるため注意が必要です。
口腔内の状態によっては、インビザラインで治療できないことがあります。ここでは、インビザラインで治療できない主な症例について解説します。
出っ歯とは、上の歯が前方に大きく突き出した状態のことで、口ゴボと表現されることもあります。出っ歯は、上あごと下あごの骨格が異なることや、前歯のサイズが大きいことなどによって引き起こされます。
重度の出っ歯を治療するためには、突出した前歯を引っ込めるだけでなく、歯列全体を奥に移動させる必要があります。インビザラインはワイヤー矯正とは異なり、奥歯に力をかけて大きく移動させることが難しいため、適応外となる可能性が高いです。
なお、顎の骨格が出っ歯の原因となっているケースでは、外科手術で骨格そのものを治療しなくてはならないこともあります。
受け口とは、上あごよりも下あごが前に出ている状態を指し、反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突(かがくぜんとつ)とも呼ばれます。受け口は、あごの位置が本来あるべき位置からズレることによって生じます。
軽度~中等度の受け口で顎の位置に問題がない場合は、インビザラインで対応できることもありますが、重度の場合は顎の位置を調整する必要があるかもしれません。
叢生(そうせい)とは、ガタガタと乱れた歯並びのことです。歯のサイズとあごの大きさとのアンバランスによって生じます。
例えば、歯のサイズが大きい、または顎が小さいことによって十分なスペースが確保できないことから、歯と歯が重なり合ったり大きく飛び出したりしてしまいます。
重度の叢生では歯を動かすためのスペースがないことから、歯の位置を整えるのが難しくなります。歯を削ったり抜歯したりすることで対応できるケースもあります。
過蓋咬合(かがいこうごう)はディープバイトとも呼ばれ、歯を嚙みしめたときに下の歯が隠れてしまうほど噛み合わせが深い状態です。主な原因としては、上あごが長いことや下あごが小さいことなどが挙げられます。
軽度であればインビザラインで矯正可能ですが、重度の場合には骨格自体を矯正する必要があります。なお、ディープバイトは顎関節へ強い負荷がかかりやすいため、顎関節症のリスクが高くなります。
歯を動かすスペースが十分ではない場合や、歯が大きく飛び出して生えている場合には、抜歯を行うことがあります。
しかし、抜歯の本数が多い場合は、歯を移動させる距離が長くなります。マウスピースを使用するインビザライン矯正では、歯を内側や外側には移動させやすいですが、横方向に大きく動かすのは得意ではありません。
抜歯の本数が多く、歯を大きく動かさなければならないケースでは、他の矯正方法を検討する必要があるでしょう。
インプラント治療では、あごの骨に人工歯根を埋め込みます。あごの骨と人工歯根がしっかりと結合することで、失った歯の機能を補う治療です。
そのため、インプラント治療によって埋め込んだ歯をインビザラインで動かすことはできません。インプラント以外の天然歯だけを部分的に矯正することは可能ですが、インプラントの本数が多い場合には、移動させられる歯が減ります。
歯を移動させるために確保できるスペースも限られるので、インビザラインで対応するのは難しくなります。
重度の虫歯や歯周病があるケースでは、インビザラインに限らず矯正治療全般が難しくなります。インビザラインをはじめとした矯正治療では、矯正を開始する前に治療計画を立てます。
治療計画を立ててから虫歯の治療をした場合、治療計画とズレが生じてしまうため、先に虫歯の治療を完了させる必要があるでしょう。重度の歯周病により、あごの骨が溶けているような状態では、矯正治療によって歯が抜けるリスクが高いです。
インビザラインを検討している方は、先に虫歯や歯周病の治療を受けるようにしましょう。また、口腔内の健康状態が乱れやすい方は、定期的にクリーニングを受けたり正しいセルフケア方法を身につけたりすることも重要です。
インビザライン矯正ができないケースであっても、代わりとなる治療によって歯並びを整えることは可能です。ここからは、インビザラインの代わりとなる矯正治療法を3つご紹介します。
インビザラインで対応できない重症例では、ワイヤー矯正を選択するのが一般的です。ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付け、そこにワイヤーを通して歯列を整えます。
ワイヤーを用いるため、マウスピース型のインビザラインよりも強い力を加えて歯を大きく移動させることが可能です。
ただし、インビザラインのように自由に取り外すことはできません。食事の際に痛んだり、歯磨きが難しくなったり、慣れるまでは日常生活に支障が出る可能性があります。
なお、矯正装置の見た目が気になる方は、目立ちにくい色の装置を選択するか、後述する裏側矯正を選択するとよいでしょう。
裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。裏側矯正は、歯の表面に矯正器具が露出しないため、見た目が気になる方に選択されることが多い矯正方法です。
ただし、専門的な技術と知識が必要なため、裏側矯正には対応していない歯科もあります。かかりつけの歯科医院で治療が受けられるか確認する必要があるでしょう。
また、裏側矯正では歯の裏側に矯正装置を装着するため、発音しにくくなる可能性もあります。裏側矯正を受ける際には、矯正方法や費用、注意点などをよく確認するようにしましょう。
インビザラインのみで対応できない症例では、ワイヤー矯正とインビザラインを併用することもあります。この場合、先にワイヤー矯正で歯列をある程度整えてから、インビザラインで歯列の細かな凸凹を整えます。
治療の初期段階でワイヤー矯正を行うことにより、大きく乱れた歯列にも対応できることがあります。ワイヤー矯正の期間を短縮できるため、見た目が気になる人にも選ばれています。
矯正装置が目立ちにくく、自由に取り外しできることから、インビザラインを選択する方は少なくありません。
しかし、症例によってはインビザラインで対応できないことがあります。まずは歯科医院で噛み合わせや歯列の状態を詳しく確認してもらいましょう。
必要に応じて、ワイヤー矯正や裏側矯正などの治療法も検討してみてはいかがでしょうか。
インビザライン矯正を検討されている方は、群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」にお気軽にご相談ください。
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