こんにちは。群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」です。
マウスピース矯正中は、お口の中の環境が変化したり、マウスピースに汚れ付着したりすることで、口臭が強くなる場合があります。口臭を発生・悪化させないためには、何らかの対策が必要です。
この記事では、マウスピース矯正中に口臭が発生する原因や、改善方法を解説します。マウスピース矯正中の口臭を放置するリスクもお伝えするので、最後までご覧ください。
マウスピース矯正中は口臭が発生しやすいです。マウスピース矯正の装置は取り外しが可能ですが、歯を移動させるためには1日20時間以上の装着が推奨されています。
マウスピースを装着している間は、唾液がうまく循環しません。唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、細菌の働きを抑える抗菌作用などがありますが、これらの作用がうまく働かないのです。
そのため、お口の中で細菌が増殖しやすくなり、口臭が発生します。
マウスピース矯正中に口臭が発生する詳しい原因を解説します。
マウスピースの材料のプラスチックには、水分を吸収する性質があります。多量に水を含むわけではありませんが、飲食物の色やにおいが移ることがあるのです。
マウスピースの洗浄を丁寧に行わないと、においがプラスチックに吸着し不快な臭いを放つ可能性があります。マウスピースは取り外せるので飲食の際は外し、洗浄してから再装着する必要があります。
上述しましたが、唾液は口腔トラブルや口臭を防ぐためにさまざまな役割を果たしています。マウスピースを装着すると唾液がうまく循環しないため、虫歯や歯周病、口臭が発生しやすくなります。
また、マウスピースの装着中は口を閉じにくくなるので、お口の中が乾燥しやすいです。マウスピースは装着時の違和感を軽減できるよう薄く作られますが、上下の歯列に装着すると1mmほどになります。
徐々に慣れて気にならなくなる方が多いですが、噛み合わせに違和感を覚えたり、口内に異物があることに慣れなかったり、口が開いてしまう方もいます。お口の中が乾燥すると、唾液の作用も低下するので口臭に繋がりやすいです。
歯磨きが不十分な場合、口臭だけでなく虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯磨きが十分にできておらず汚れが残った状態でマウスピースを装着すると、歯に汚れを密着させることになるためです。
マウスピースの中で細菌が増殖し、口臭の原因になるでしょう。細菌が増えやすい状態が続くと、虫歯や歯周病といったトラブルに発展するケースも考えられます。
この場合、虫歯や歯周病の治療を優先するためにマウスピース矯正を中断することも考えられます。口臭が発生して不快な思いをするだけでなく、治療期間が延びる恐れもあるため歯磨きは丁寧に行う必要があります。
歯周病の原因になる菌がお口の中で増殖すると、揮発性硫黄化合物という口臭の原因になる成分を分泌します。そのため、矯正治療中かどうかに関わらず、歯周病になると口臭が発生・悪化する方が多いです。
歯周病が悪化するにつれて、口臭は強くなります。卵が腐ったようなにおいや生ごみのようなにおいなど、不快なにおいを放つので口内を清潔に保って歯周病を防ぐことが重要です。
たばこに含まれている成分も、マウスピース矯正中の口臭の原因になります。タールはネバネバした物質のため歯や歯ぐきに付着しやすく、頻繁に喫煙する人ほど口臭が強くなります。
マウスピースをつけたままたばこを吸った場合、マウスピースににおいが付着するでしょう。外してから喫煙するか、禁煙を検討しましょう。
マウスピースの素材は、プラスチックです。柔らかく薄い素材のため、丁寧に使用しているつもりでも細かな傷がつくことがあります。傷がつくとマウスピースに凹凸ができ、汚れが溜まって洗浄しても取れにくくなります。
汚れが長時間付着したままだと、細菌が増殖しやすい環境となりにおいを放つ可能性が高いです。マウスピースは傷がつきやすい装置だと理解し、取り扱いに注意しましょう。
マウスピース矯正中に口臭が発生したら、以下の方法で改善を図りましょう。
マウスピース矯正中の口臭を防ぐためには、マウスピースを適切にお手入れすることが欠かせません。誤った方法でお手入れしていて細菌が残っていると、増殖して口臭の原因になります。
マウスピースのお手入れは、流水下で手洗いするのが基本です。においや汚れを取り除きたいからと硬い歯ブラシでゴシゴシ磨く方もいますが、マウスピースが傷つくのでやめてください。
指で擦っても取れない汚れがある時は、柔らかい歯ブラシで優しく小刻みに動かして洗浄してください。歯磨き粉には研磨剤が含まれていることがあるので、使用は控えましょう。
歯科医院や薬局などに売っているマウスピース専用の洗浄剤は、においの発生を抑えるのに効果的です。使用頻度や使用方法は製品によって異なるため、説明書をよく読んで使用してください。
マウスピースを適切に保管することも、口臭を抑制するのに有効です。マウスピースを洗浄したら、しっかり乾燥させてから専用のケースに入れましょう。乾燥させずにケースに入れると、細菌が増殖することでマウスピースが臭くなるのでご注意ください。
また、直射日光が当たる場所やエンジンを切った車の中に放置すると、マウスピースが変形することがあります。マウスピースはプラスチックでできているため、高温にさらされると変形する恐れがあるのです。
洗浄後、乾燥させてマウスピースはケースに入れて、直射日光が当たらない涼しい場所で保管しましょう。
マウスピース矯正中の口臭は、セルフケア不足も原因です。毎日の歯磨きをしっかり行ってお口の中を清潔に維持すれば、口臭を予防できる可能性が高いです。
食べかすが溜まりやすい歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目を意識して磨き、デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。デンタルフロスや歯間ブラシの使い方がよくわからない人は、歯科医院で正しい使い方を指導してもらいましょう。
唾液の量を増やすように意識するのも、口臭改善に効果的です。先述しましたが、マウスピース矯正中はお口の中が乾燥し、細菌が増えやすい状態です。唾液の量を増やすと、自浄作用が働くので細菌が洗い流されます。
唾液の量を増やすためには、以下の方法が有効です。
顎や耳の下を親指でクルクルしながらほぐすと、唾液腺が刺激され唾液が分泌されます。また、水分摂取や鼻呼吸を意識して行うと、お口の中が乾くのを防げるでしょう。
歯についたすべての汚れを自分で完璧に落とすのは困難です。セルフケアを丁寧に行っている方でも、完全にきれいにするのは容易ではありません。食べかすが長時間付着したままだと歯石になり、自分では除去できなくなります。
そのため、定期検診が重要です。定期検診では、専用の器具で歯石やプラークを除去していきます。汚れがつきにくいように歯の表面をツルツルにコーティングする場合もあるでしょう。さらに、フッ素を塗布すれば、歯が強くなる期待もできます。
マウスピース矯正中の口臭を防ぐためにも、定期検診は必ず受けましょう。
マウスピース矯正中、口臭があるのに放置すると他の口腔トラブルに発展する恐れがあります。口臭があるということはマウスピースや口内で細菌が増殖しているということなので、虫歯や歯周病の原因菌も増加していると考えられます。
また、マウスピースに臭いが付着している場合、マウスピースの装着が困難になるかもしれません。マウスピースの装着時間が足りないと、矯正治療が進まない可能性が高いです。
虫歯や歯周病が発生した場合、それらの治療を優先することが多いです。この場合、その分矯正治療を中断することになるので、治療期間が延長されるでしょう。
モチベーションが低下し、矯正治療自体を続けられなくなる可能性もあります。
口腔トラブルを予防して矯正治療をスムーズに進めるために、口臭は放置せず改善する必要があります。
マウスピース矯正中は、お口の中の乾燥やお手入れ不足などが原因で口臭が発生します。乾燥を防ぐために、唾液の分泌を促しこまめに水分摂取をしましょう。
また、マウスピースに食べかすが付着したまま長時間放置するのも、口臭の原因になります。口臭が強くなってきたら歯周病が重症化している可能性があるので、早めに歯科医院を受診してください。
マウスピース矯正を検討されている方は、群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、自分の家族にできない治療はしないことを意識しながら、さまざまな診療を行っております。ホームページはこちら、お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
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