こんにちは。群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」です。
MFT(口腔筋機能療法)という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。MFTは、口の周りの筋肉をトレーニングすることによって歯並びや発音を改善し、全身の健康にも良い影響を与える方法として注目されています。
今回は、MFTの基本的な内容を解説し、さらに自宅で簡単にできるトレーニング法を紹介していきます。口腔筋のバランスを整えることで、どのような体調の変化が期待できるのかを詳しく説明します。
患者さまの健康をサポートするための第一歩として、ぜひご覧ください。
MFT(口腔筋機能療法)とは、口の周りの筋肉をトレーニングして歯並びや噛み合わせを改善する方法です。特に、舌の位置や口唇の使い方を意識することで、口腔内の機能を正常化させます。
MFTでは、食事や発音、呼吸時に、舌や唇が正しい位置に動くようにトレーニングを行います。口の周りの筋肉のバランスを整えることが目標です。これにより、鼻呼吸が促進されて全身の健康にも良い影響を与えるとされています。
正しい舌の位置は、上の前歯の1cm内側、いわゆるスポットと呼ばれる場所です。リラックスしている時に舌の先がこの位置についている状態が、正しい位置とされています。
スポットに舌先が触れていないと、舌が歯に触れることが多くなります。舌が歯に触れる機会が多いと、歯の成長を妨げたり歯並びや噛み合わせに悪影響を与えたりするのです。
舌の位置を意識的に改善すれば歯並びが自然に整うこともあるため、日常的に正しい舌の位置を保つようにしましょう。
歯並びが悪くなる原因は、以下のとおりです。
遺伝的な要因は、歯並びに大きく影響します。両親の歯並びが悪い場合には、その子供も同様の問題を抱えることが多いのです。
歯並び自体が遺伝するわけではありませんが、歯の形や大きさ、顎の骨格が遺伝することで、同様の歯並びの問題が発生するリスクが高まります。
口呼吸が歯並びに悪影響を与える原因は、舌の位置が正常でなくなるからです。鼻呼吸ができず口で呼吸をしていると、舌が上顎の正しい位置に触れられずに顎の発育にも影響を及ぼします。
この状態が長期間続くと、顎の骨が十分に成長せず歯並びが乱れやすくなるのです。
また、口呼吸をしていると口腔内が乾燥しやすくなるため、歯や歯ぐきの健康にも悪影響を与える可能性が高いです。特に、子供の成長段階で口呼吸の習慣を早期に改善することが、歯並びを守るために重要です。
舌で前歯を押し出すクセは、歯並びに大きな影響を与える原因のひとつです。舌が歯に強く押し付けられると、歯の位置がずれて歯並びが乱れます。このような癖は特に子供に多く見られ、成長期においては顎の発育にも悪影響を及ぼすでしょう。
舌が正しい位置にない場合は、歯並びが自然に整わないだけでなく、噛み合わせや発音にも影響が出やすくなります。舌のクセを改善すれば、歯並びや口腔の健康を守ることができるでしょう。
乳歯が早期に抜けると、永久歯が正しい位置に生えられなくなる可能性が高まります。永久歯が本来の位置とは異なる場所に生えると、歯並びに悪影響を与えるでしょう。
通常、乳歯が抜けるタイミングはある程度決まっており、乳歯が抜けた後すぐに永久歯が生えてきます。
しかし、虫歯や事故などで乳歯が早く抜けると、永久歯がすぐに生えてきません。空いたスペースに隣接する歯が倒れたり移動したりすることで、永久歯が生えるスペースが奪われて歯並びが乱れやすくなるのです。
乳歯と永久歯の交換がスムーズに進んでいるか、日常的に観察する必要があるでしょう。
指しゃぶりは、特に子供に見られる習慣で歯並びに悪影響を与える可能性が高いです。長期間続けると出っ歯になったり、上顎が狭くなったりすることがあります。指をしゃぶることで舌や唇が歯に不自然な力を加え、歯が正しい位置に並ばなくなるためです。
この習慣が続くと、顎の発育にも影響を与えて噛み合わせが悪くなります。子供が指しゃぶりをやめるのは、歯並びを改善するために重要な一歩です。
MFTのメリットは、以下のとおりです。
MFTは、歯並びや噛み合わせに関わる口腔内の筋肉のバランスを整えるためのトレーニングです。そのため、矯正治療がより効果的に行えるようにサポートできます。
筋肉のバランスが整うことで矯正装置の効果が高まり、治療期間の短縮や安定した結果が期待できるでしょう。歯の動きがスムーズになるため、矯正治療の成功率が上がります。
MFTを行うことで舌や口唇の使い方が改善され、口呼吸が鼻呼吸に変わります。歯並びが整いやすくなるほか、口内の乾燥や虫歯予防にも効果的です。
さらに、舌や口腔筋肉の発達を促すことで、発音が改善されて言葉が明瞭になる効果もあります。
MFTを行えば顔の表情筋が鍛えられ、自然で魅力的な笑顔を作れるようになることもあります。特に、舌や唇を使ったエクササイズが表情筋を刺激し、顔の筋肉のバランスを整えられるでしょう。
無理のない笑顔を作りやすくなり、顔全体の印象もより若々しくて引き締まったものになります。
MFTのトレーニングを通じて、食べ物を噛む際の舌の使い方や口の動きを改善することができます。食べ方がきれいになり、食事中の無駄な音や不快な動作を減らすことができるのです。
また、正しい噛み合わせや舌の使い方が身に付くことで、消化にも良い影響を与えて健康的な食習慣をサポートします。
MFTを通じて口腔内の筋肉の機能が改善されると、顎や歯の発育が正しく促されます。特に、幼少期に舌や口唇の使い方を正しく習得すると、顎の成長や歯並びに重要な影響を与えるでしょう。
将来的に歯並びが整いやすくなり、噛み合わせや顔の形にも良い影響を与えられる可能性が高まります。
MFTのデメリットは、以下のとおりです。
MFTのトレーニングは、日常的に時間を確保して実施する必要があります。最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてくると数分で終えることができるため生活の中に取り入れられるようになるでしょう。
忙しい日常の中でも、少しの時間を使って続けることが大切です。
MFTは筋肉トレーニングと同じように、続けることが重要です。1回のトレーニングで劇的な効果を期待することはできません。
日々の継続が必要で、根気よく行わなければ効果を実感するのは難しいです。特に小さなお子様の場合には、大人のサポートが必要になります。
MFTは、歯並びや口腔機能を改善するための方法ですが、矯正治療を完全に代替できるわけではありません。MFTと矯正は異なる目的を持つ治療法であり、MFTだけで歯並びを整えるのは難しい場合が多いです。
過度な期待をせず、口内の状態に応じて矯正と併用する必要があります。
MFT(口腔筋機能療法)の費用は、1回あたり3,000円~1万円程度が一般的です。
ただし、歯科医院によって料金が異なるため事前に確認しておきましょう。さらにトレーニングの費用とは別に、検査費用や診断費用が発生する場合もあります。
MFTが保険適用となるのは口腔機能発達不全症と診断された場合のみで、それ以外は自由診療です。矯正治療と併用する場合にはMFTの費用が請求されないこともあるため、歯科医院に確認しましょう。
MFTのやり方はいくつかあり、歯科医師が患者さまの症状に合わせて選択していきます。MFTの中で代表的なトレーニング方法は、以下のとおりです。
あいうべ体操は、MFTトレーニングの代表的な方法です。大きく口を開けて「あー」と発声し、次に「いー」と横に口を開けて「うー」と口をすぼめ、その後「ベー」と舌を下に伸ばします。
舌の正しい位置を意識するトレーニングです。上の前歯の後ろのふくらみ部分が舌の正しい位置で、無意識に舌先をその場所に置く癖をつけられるようになることが目的です。
リラックス時や飲み込む時にこの位置を意識しましょう。
リラックス時に舌をスポットポジションに置くためのトレーニングです。スティックを口の前に垂直に持ち、舌を使ってスティックを押して3秒間キープしましょう。これを5〜10回繰り返し、舌の筋肉を鍛えます。
MFTには自宅でできる習慣もあります。まず、口を閉じて鼻呼吸を心がけて、上下の歯を少し離した状態を保ちましょう。食事中は首をまっすぐにし、奥歯で左右均等に噛むように意識してください。
また、姿勢を正しく保って睡眠時はうつ伏せ寝を避け、仰向け寝を意識します。これらの習慣を日常的に取り入れることが、口腔機能の改善につながるでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)は、口の周りの筋肉をトレーニングし、歯並びや噛み合わせを改善する方法です。舌や唇の正しい使い方を意識することで歯列矯正のサポートや発音改善、口呼吸の改善が期待できます。
自宅でできる習慣としては、鼻呼吸を心がけて食事中の姿勢を正しく保ち、仰向け寝をするのが効果的です。MFTは継続的な実施が重要で、歯科医師と相談しながら取り組むと良い結果が得られるでしょう。
MFT(口腔筋機能療法)を検討されている方は、群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、自分の家族にできない治療はしないことを意識しながら、さまざまな診療を行っております。ホームページはこちら、お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
copy right Suzuki Dental clinic