こんにちは。群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」です。
歯周病は、日本人の多くの人が発症する病気です。初期段階では痛みや違和感などの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行している場合もあります。進行すると、歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失うこともある病気です。
「どんな人がなりやすい?」「どのように気をつければよい?」などと疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、歯周病になりやすい人の共通点について解説します。歯周病にならないための予防法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
歯周病とは、歯を支えている歯茎や骨が細菌によって炎症を起こし、徐々に破壊されていく病気です。重度の状態にまで進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶け、歯がぐらついたり抜け落ちたりします。
初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行しやすいのが特徴です。
公益財団法人8020推進財団の調査によると、日本人が歯を失う最も多い原因は歯周病といわれています。歯を失うと会話や食事に支障をきたす場合もあるため、歯周病の発症や重症化を防ぐことが大切です。
参照元:公益財団法人8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書」
歯周病になりやすい人の共通点は、以下のとおりです。
毎日歯磨きをしていても、正しい方法で磨けていないと、歯垢(プラーク)が残ります。歯垢には多くの細菌が含まれており、増殖すると歯茎が炎症を起こすことがあるのです。
特に、奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯茎の境目は、磨き残しの多い箇所です。歯垢をきれいに取り除くためには、正しいブラッシング方法を身につけ、歯間ブラシやデンタルフロスも用いながら丁寧に歯を磨くことが大切です。
歯が重なり合ったり前後にずれていたりして歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくくなります。これによって、歯垢を取り除くのが難しくなるため、歯周病になるリスクが高まるのです。
また、噛み合わせが悪いと一部の歯に負担がかかり、歯を支えている歯槽骨がダメージを受けて吸収されやすくなるのも、歯周病リスクを高める要因の一つです。
砂糖や炭水化物が多く含まれている食事をとると、糖分をエサにして細菌が繁殖し、歯垢が増加します。
また、ビタミンやミネラルが不足していると細菌に対する抵抗力が下がり、炎症が起こりやすくなります。食生活が乱れると歯垢が増えるため、歯周病になるリスクが高まるのです。
また、唾液には、口の中の細菌や食べかすを洗い流す自浄作用があります。やわらかいものばかりを食べていると唾液の分泌量が減り、細菌や糖分が口の中に留まりやすくなるのです。
タバコに含まれる有害物質は、歯茎の血流を悪化させ、免疫力を低下させます。そのため、喫煙している人は、細菌に対する抵抗力が低く、歯周病になるリスクが高いのです。
また、喫煙者は歯茎の出血が起こりにくくなるため、歯周病が重症化するまで気づかないこともあります。禁煙することで、歯周病の予防や改善が期待できます。
ストレスがたまると、免疫力が低下して歯周病菌に対する抵抗力も下がり、歯周病が進行しやすくなります。さらに、ストレスが溜まると唾液の分泌量が減るため、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなります。日頃からストレスをためすぎないようにすることが大切です。
歯周病は糖尿病の合併症であるといわれています。血糖値が高い状態が続くと感染に対する抵抗力が弱まり、歯茎の炎症が起こりやすくなります。歯周病が悪化すると血糖値のコントロールが難しくなるという報告もあり、糖尿病と歯周病は相互に悪影響を与え合う関係にあります。
また、骨粗鬆症は、骨の量が減って、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症になると、全身の骨だけでなく歯を支えている歯槽骨ももろくなります。そのため、歯周病が進行しやすいのです。
家族は、同じような食生活や歯磨き習慣であることが多いです。そのため、ご家族が歯周病の場合、ご自身も歯周病になるリスクが高まります。また、お皿やスプーンの共有、食事中の会話などで、歯周病菌が唾液を通じてうつる場合もあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯や歯茎に過度な負担がかかり、歯周組織がダメージを受けやすくなります。歯を支える骨が吸収されやすくなり、歯周病が進行しやすくなります。
特に就寝中、無意識のうちに歯ぎしりをする場合が多く、気づかないうちに歯周病のリスクを高めていることがあります。
歯科医院で専用のマウスピースを作ったり、歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスをコントロールしたりして、歯や歯茎に負担をかけないようにすることが大切です。
妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯茎が炎症を起こしやすい傾向にあります。悪阻で十分に歯磨きができなかったり、食事の回数が増えたりするのも、細菌が繁殖する原因です。
妊娠中に歯周病になり、炎症性の物質が血管に入り込むと、子宮に到達する場合があります。早産につながる恐れがあるため、妊娠中は歯周病にならないように対策することが重要です。
歯周病の初期段階は自覚症状が少ないため、知らず知らずのうちに進行している場合があります。歯周病を予防するためには、日頃からしっかりとケアを行い、生活習慣を見直すことが大切です。ここでは、歯周病を予防するための方法について解説します。
歯周病予防の基本は、毎日の正しい歯磨き習慣です。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、歯と歯茎の境目に毛先を45度の角度で当てて小刻みに動かしましょう。1本の歯につき10〜20回ほど歯ブラシを動かすのが理想です。強く力を入れすぎると歯茎を傷める恐れがあるため、力加減にも注意しましょう。
毎食後と就寝前に丁寧に歯磨きするのが理想ですが、難しい方は就寝前のみ時間をかけて歯を磨きましょう。また、歯と歯茎の境目、歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは取り除くのが難しいです。デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、細かい部分の汚れも取り除けます。
睡眠不足や偏った食事が続くと、免疫力が低下して歯茎が炎症を起こしやすくなります。歯周病を予防するためには、生活習慣を見直すことが大切です。
特に、ビタミンやミネラル、たんぱく質は、歯や歯茎の健康を保つうえで重要です。バランスのよい食事や、十分な睡眠を心がけましょう。
前述したとおり、タバコを吸っていると、歯茎の血流が悪化して免疫力が低下するため、歯周病になるリスクが高まります。そのため、タバコはできるだけ控えましょう。タバコをしばらく吸っていた人でも、禁煙することで歯周病のリスクが大きく下がるといわれています。
ストレスがたまると、自律神経やホルモンバランスが乱れて、免疫力低下につながります。
細菌が繁殖して歯茎が炎症を起こしやすくなるため、できるだけストレスを溜めないようにしましょう。十分に睡眠をとる、湯船につかってリラックスする、趣味の時間を楽しむなど、ストレスをコントロールすることが大切です。
定期的に歯科検診を受けることで歯周病の早期発見につながります。初期の段階で発見できれば、負担の少ない治療で済む場合が多いです。また、ブラッシング指導や歯のクリーニングも受けられるため、歯周病の予防効果が期待できます。
具体的には、3〜6ヶ月に1回の頻度で定期検診を受けるとよいでしょう。磨き残しの多い人や喫煙している人など、歯周病になるリスクが高い人は1〜2ヶ月に1回の頻度で受診することが推奨されます。
歯科検診の適切な頻度は、口腔内の状態によって異なるため、歯科医師に確認しましょう。
歯周病は、毎日の歯磨きによって予防できる病気です。歯周病になりやすい人には特徴があります。磨き残しや喫煙、ストレスなど、さまざまな要因が重なることで歯周病になるリスクが高まるのです。
歯周病を予防するためには、正しい歯磨き習慣を身につけ、食生活や運動習慣などの生活習慣を見直すことが大切です。定期的に歯科医院で検診を受けると、歯周病の早期発見につながります。現段階で症状のない人も、早めの対策を心がけましょう。
歯周病にお悩みの方は、群馬県伊勢崎市にある「すずき歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、自分の家族にできない治療はしないことを意識しながら、さまざまな診療を行っております。ホームページはこちら、お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
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