フッ素について
「虫歯の予防にはフッ素を塗ると良い」とか「フッ素入り歯磨き粉を使って虫歯を予防しましょう」という言葉をよく耳にしますね。
フッ素って何なのか、どんな効果があるのか、ご存じですか?
フッ素とは
フッ素は、地中や海水など自然界の物質や人間の体の中、魚介類・海草・お茶の葉など私たちが普段口にする食品にも含まれている栄養素の一つです。フッ素は、虫歯予防に有効であり安全であるとして、WHO(世界保健機関)をはじめ世界各国の医学専門機関が認めています。
フッ素を使用するとどんな効果があるの?
- 虫歯菌が出す酵素の働きを邪魔して酸を作りにくくさせる。
- ごく初期の虫歯の「再石灰化」(虫歯菌の作る酸で溶けた歯の表面に唾液中のカルシウムが付着して修復する)を促進する。
- フッ素が歯に取り込まれ、歯の表面にある「ハイドロキシアパタイト」という結晶を、 虫歯が作る酸に溶けにくい「フルオロアパタイト」という安定した結晶に変えて、酸に強い丈夫な歯を作る。
フッ素の効果的な使用法
フッ素の利用法にはいろいろありますが、次のポイントに気をつけることで、より虫歯予防・初期虫歯の進行を食い止める効果を高めることができます。
- フッ素を使用する前にまずプラークコントロールを行い、プラーク(歯垢)をきれいに落とす。
- 高濃度のフッ素を1回だけ塗るよりも、濃度が低くてもこまめに回数を多く塗ることや、すべての歯に塗ることができているかが大切なポイント。
- 歯科でのフッ素塗布だけでなく、家庭でもフッ素入り歯磨き粉などを併用する。
- フッ素使用後は、30分間程度、飲食を控えること。
注意点
フッ素は歯の再石灰化を高めるので初期虫歯には有効ですが、穴が開いていたり、痛みが出てきている進行した虫歯では、 フッ素を塗るだけでは治りません。フッ素は虫歯の予防と虫歯の進行を抑えることのみに有効なのです。
進行した虫歯がある場合はできるだけ早く歯科に行って治療しましょう。
尚、フッ素を大量に摂取すると中毒を起こすという副作用がありますが、通常の食生活や歯磨き粉などの使用では、
フッ素の含有量は少ないので問題はなく、必要以上に神経質になることはありません。フッ素の特性を理解して上手に利用して虫歯を防ぎましょう。