虫歯を治療したい
なぜ虫歯予防が大切なの?
それは、虫歯で歯を削って詰めた時から、その歯の寿命が決まってしまうからです。ちょっと昔(95年)ですけど、修復物の平均使用年数をお調べになった先生がいらっしゃいます。
修復物 (むし歯の治し方) |
2次ウ触 (詰め物の周りがまた虫歯) |
脱落 (詰め物が取れた) |
歯髄炎 (冷たいものや温かいものがしみる) |
平均使用年数 |
レジン充填 (白い詰め物) |
5.1 | 3.3 | 5.6 | 5.2 |
インレー (銀色の詰め物) |
5.8 | 4.1 | 5.3 | 5.4 |
鋳造クラウン (銀色の被せ物) |
8.2 | 6.2 | 8.9 | 7.1 |
ブリッジ (銀色の被せ物) |
10.1 | 6.2 | 7.5 | 8.0 |
表 修復物の平均使用年数
【注意】 平均使用年数は破折などのその他の原因含むため、修復物の保障期間ではありません。手入れが悪ければ当然期間は短くなると思われすし、またよければ期間は長くなると思われます。
銀色の被せ物(鋳造クラウン・ブリッジ)をしたことのある人は、分かると思いますが、どんなに大きな被せ物でも、最初は小さな虫歯の治療(レジン充填・インレー)からだったと思います。上の表からこんな事も想像できます。
10歳 | 小さな虫歯の治療、レジン充填またはインレーで修復 |
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15歳 | 修復物の周りが虫歯に、前より一回り大きく修復。 (レジン充填・インレーで修復) |
20歳 | 修復物の周りや中がまた虫歯に、前の修復物よりさらに大きく修復 (なんとかレジン充填・インレーで修復) |
25歳 | 修復物の周りや中がまたまた虫歯、神経の処置をして大きく被せる (鋳造クラウンで修復) |
33歳 | 修復物の周り(被せ物と歯ぐきの境界)が虫歯、また被せ直す。 (再度、鋳造クラウンで修復) |
41歳 | 修復物の周り(被せ物と歯ぐきの境界)がまた虫歯、またまた被せ直す。 (なんとか鋳造クラウンで修復) |
47歳 | 修復物が脱離、歯の根がもう使えない。抜歯へ |
つまり、仮に10歳の時に小さな虫歯の治療をしたとすると、約40年後の50歳には抜歯、ということが起こりうるということです。また虫歯を放置した結果、最初から大きな被せ物が必要な大きな虫歯の歯では、抜歯までの期間が短くなることが想像できます。
しかし、これはあくまでも平均使用年数であるため、手入れの仕方によっては、抜歯までの期間を長くしたり、被せ物のままとどめておくことは、十分可能です。
そのためには、虫歯予防です。
火事(ムシ歯)になってから、消す(治療)のは非常に大変です。
消火(治療)よりは防火(予防)が第一。
当医院ではむし歯にならないために、治療した歯を長く使用するために、
定期健診、リスク検査を実施しています。
残念ながら抜歯せざるおえないような虫歯には、
最新のインプラント治療も実施しています。
むし歯のなりやすさを知ろう
むし歯のなりやすさを知ろう(リスク検査)
一生懸命歯を磨いているのに、どうして虫歯になるの??
それはむし歯はいろいろな原因が絡み合って生じる、多因子性の疾患だからです。ですから歯磨きは、虫歯になるかならないかの一つの要因にしかすぎないのです。
したがって虫歯になった本当の原因をみつけ、その原因を改善していかなければ、必ず虫歯は再発してしまいます。
そこで当医院ではむし歯になった本当の原因を見つけるために、危険度(リスク)検査を実施いています。
ガムを咬み、だ液を採取するだけの簡単な検査で、虫歯菌の数や、だ液の性質などがわかります。もちろん痛みはありません。
リスク検査の結果から虫歯になった本当の原因を診断し、あなたが実行しやすい虫歯予防の方法をご提案いたします。 リスク検査はまだ予防のための検査と考えられていますので健康保険制度は適用されません。したがって、検査には実費が必要です。
虫歯予防法(すずき歯科流)
最小の努力で、最大の虫歯予防
自分の歯で一生美味しく食事をすること
フッ素、キシリトールの利用
1.はじめに
最近のムシ歯予防は、虫歯を感染症ととらえ、 ムシ歯菌がうつるため子供とのキスや、食器・スプーンの共用を控えたり(3才ぐらいまで)、ムシ歯菌そのものを退治するという予防法があります。 これは間違いではないので、知識としては非常に大切です。しかし、完全に実行するのはちょっと大変だと思いませんか?
かわいい我が子とのスキンシップを、たかが虫歯予防で我慢できますか?そんなことをしなくても、楽に虫歯予防をする方法は他にもあります。 すずき歯科医院流ムシ歯予防法のキーワードは、最小の努力で最大の虫歯予防です。 多大な努力を必要とする虫歯予防法は、長続きしないと思いませんか?
2.虫歯はこうしてできる。
たべものの残りカスが歯に付着する。
↓
残りカスの中にある糖分をムシ歯菌が分解。
↓
ムシ歯菌が酸を産生し、酸が歯を溶かす。
3.虫歯になる原因は
- 食べのもの残りカスがあるから(糖)
- 菌が存在するから(ムシ歯菌)
- 酸に負ける歯たから(弱い歯)
の3つ大きく分けられます。つまり、この3大原因が重なると虫歯になってしまいます。
4. 虫歯をできなくする方法
虫歯の3大原因は、歯質、糖、ムシ歯菌です。
酸に負けない
強い歯を作ればいい
酸を出す細菌が
いなければいい
細菌が食べる糖が
なければいい
3つが重なるとムシ歯になる
上図のように、3大原因が重なると虫歯になるわけですから、裏を返せば、3つのうち1つでもなくなれば虫歯はできない、ということになります。
では、皆さんはどれにたいして、アプローチしますか?
ムシ歯菌に対してですか?
糖に対してですか?
歯に対してですか?
私だったら、歯とムシ歯菌の両方のアプローチをします。
「エー、2つもですかー?」ですって、安心してください。あくまでも、すずき歯科医院流虫歯予防法は、最小の努力で最大の虫歯予防ですから、方法はいたって簡単です。
それは、1日3回のキシリトールの利用と、夜の歯磨き後のフッ素によるうがいです。どうです、できそうでしょ。
5.具体的な方法
1. ムシ歯菌へのアプローチ
1日3回毎食後にキシリトールガムを噛む。ガムが噛めない人は、キシリトールのタブレットなめる。キシリトールの甘さが、食後のちょっとした満足感を引き出してくれます
2. 歯に対するアプローチ
1日1回フッ素のうがい薬で30秒ほどのブクブクうがいと、フッ素入り歯磨剤で歯を磨きましょう。
6.理由と説明
キシリトールの利用
理由:1日3回毎食後にキシリトールガムやタブレットの利用することで、酸を出しにくい、歯にくっつき難いムシ歯菌に変えていきます。
それに、なんといってもキシリトールは、甘いです。その甘さが、食後のちょっとした満足感を引き出してくれます。
虫歯予防というと、「甘味制限」が思い浮かぶとおもいますが、甘いガムの利用だったらできそうでしょ?
キシリトールの甘さは決して虫歯を作らない糖分ですので、安心して利用してください。
フッ素洗口・フッ素入り歯磨剤の利用
理由:1日1回フッ素のうがい薬で30秒ほどのブクブクうがいと、フッ素入り歯磨剤の利用によって、フッ素が酸に溶けにくい抵抗力のある歯にしていきます。
歯磨き後あまりうがいしすぎないのもポイントです。
フッ素というと、何か特別なもののように思われますが、原始のむかしから地球上に存在して、あらゆる植物や動物に含まれています。
人体を構成する元素の中で13番目に多い元素です(鉄分より多いです)。
7.定期検診でなく、定期クリーニング&定期健診を
どうです、できそうでしょう。「なんで虫歯や歯周病に、またなっちゃうの?」のところでも書きましたが、「虫歯は生活習慣病であり感染症である」から、 虫歯を新しく作らないためには、細菌のだけでなく生活習慣のアプローチも当然必要になってきます。
しかし、人間は意志の弱い生き物です、自分一人だけでがんばらず、 フッ素洗口や規則正しい生活習慣が定着しているかどうかを確認し、できていなければできるようになるためにはどうするかを一緒に考え、単なる検診でなく、 一緒に健康をつくっていけるような定期健診にしましょう。
また、何かと忙しくて子どもたちのお口までなかなかチェックできないようなお母さんは、定期健診を上手に利用して、歯医者さんでお口の虫歯予防を手伝ってもらいましょう。
そして、自分で磨ききれない所は、国家資格でもある歯科衛生士に任せて美容院や床屋さん行く気持ちで、お口の中を定期クリーニングしませんか?
当院のスタッフ (受付を除く) はすべて、この歯科衛生士ですので、どうぞ安心してお任せください。